<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?><rdf:RDF xml:lang="ja"
	xmlns="http://purl.org/rss/1.0/"
  xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#"
  xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
  xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/"
  xmlns:sy="http://purl.org/rss/1.0/modules/syndication/">

<channel rdf:about="https://piyo80.novel.wox.cc/feed">
	<title>台本置き場</title>
	<link>https://piyo80.novel.wox.cc</link>
	<description>登場人数によって分けています。上演される場合はHomeよりご一報ください。</description>
	<dc:language>ja</dc:language>
	<items>
		<rdf:Seq>
							<rdf:li rdf:resource="https://piyo80.novel.wox.cc/entry5.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://piyo80.novel.wox.cc/entry4.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://piyo80.novel.wox.cc/entry3.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://piyo80.novel.wox.cc/entry2.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://piyo80.novel.wox.cc/entry1.html" />
					</rdf:Seq>
	</items>
</channel>

	<item rdf:about="https://piyo80.novel.wox.cc/entry5.html">
		<link>https://piyo80.novel.wox.cc/entry5.html</link>
		
				
		<title>欠落の青春</title>

		<description>欠落の青春


登場人物
・佐々木(ささ…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 欠落の青春


登場人物
・佐々木(ささき)…明るく元気
・太田(おおた)…ツッコミ役
・内海(うつみ)…場の盛り上げ役
・藤堂(ふじどう)…インテリ系変人
・朝比奈(あさひな)…大人しい




開幕

舞台上には誰かと電話をしている様子の朝比奈。しかし照明はつけない。

朝比奈「……あのね、お願いがあるの」

間

朝比奈「……助けて」

朝比奈、はける。




空き教室で佐々木、太田、内海、藤堂の四人が談笑。
照明つける。

内海「ねぇねぇ、しりとりしよう！」

太田「唐突だな」

佐々木「じゃあ俺から！　しりとり！」

内海「りんご！」

藤堂「娯楽」

太田「……苦痛」

佐々木「うわ、太田はこの時間のことを『苦痛』とか思ってるわけ？」

内海「けっ、薄情な奴だな」

藤堂「なんで太田くんを貶してるんですか……まぁ、気にしなさそうですが」

太田「いや、苦痛って思ってるわけじゃなくて！　ただその単語が浮かんできただけで！」

佐々木「はいっ、太田の負けー」

太田「えっ、なんで！？」

内海「今までみんな、ちゃんとしりとりしてたから」

太田「はぁ？　どこがだよ？」

佐々木「『苦痛』からの、『うわ、太田はこの時間のことを『苦痛』とか思ってるわけ？』」

内海「『けっ、薄情なやつだな』」

藤堂「『なんで太田くんを貶してるんですか。まぁ、気にしなさそうですが』」

太田「……っ、そんなのわっかんねぇよ！！」

佐々木「はーい、ってことで太田、ジュース買ってきて！」

太田「えっ、なんで」

佐々木「だって、しりとりに負けたから」

太田「負けたらジュースを買いに行く、とかいうルールあったけ？」

佐々木「いや、なかったよ。今作った」

太田「それ有効なの！？」

佐々木「俺がルールだ！」

太田「なんて横暴な……」

内海「ほら早くー！　コーラ買ってきてー！」

藤堂「僕は、ジャスミンティーを」

佐々木「じゃあ、あえて水！」

太田「あー、はいはい、わかったわかった。買ってきますよ」

内海「Foooooooo！　さぁすがっすねぇ！！」

佐々木「いってらっしゃーい」

太田、下手にはける。

内海「ねぇ藤堂、さっきから何を読んでんの？」

藤堂「内海くんに教える義理はありません」

内海「えー、それくらいいいだろ別に」

佐々木「内海、あまり食い下がるな。藤堂だって読書に集中したいだろう」

内海「んー、それもそっか。ごめんな藤堂、読書の邪魔して」

藤堂「いえ、気にしてません」

佐々木「藤堂は昔から、本の虫だもんな。確か小学生の頃……」

藤堂「えっ、小学生の頃！？」

内海「佐々木、もしかして」

佐々木「いや……小学生の頃はまだお前らと出会ってなかったな。記憶違いだったわ」

藤堂「……そうですか」

佐々木「でもなんか、お前らとは昔から一緒にいるような気がする」

藤堂「えぇ、僕も、そんな気がしますよ。とても」

内海「やっぱダメか……」

佐々木「ん？　どうしたんだ？」

内海「なんでもないよ」

佐々木「そ、そうか」

太田、下手から登場。

太田「お望み通り、買ってきてやったぞー……って、なんか暗くないか？」

内海「俺達は燃え尽きたんだ。真っ白にな……」

太田「その割には髪の毛真っ黒だな。はい内海、コーラ」

内海「おぉありがと！　これで生き返るぜ！！」

太田「単純な奴だな。で、藤堂がジャスミンティー」

藤堂「チッチッチ、jasmine-teaだ」

太田「知らねぇよ。で、佐々木が水」

佐々木「おぅ！　ありがとな！」

太田「冷水機あるのに、水なんて普通 自販機で買わないでしょ」

佐々木「俺は『普通』なんて言葉には縛られないのさ！」

太田「そうか、そりゃいいことだな」

佐々木「おぅよ！」

太田「でさ、佐々木。バスの時間は大丈夫なのか？」

佐々木「ほぇ？　……えっ、嘘だろやばいじゃん！」

内海「おっと佐々木くん焦り出しました！　バスが発車するまであと十分です！　解説の藤堂さん、佐々木くんは間に合いますかね？」

藤堂「そうですね。ここからバス停まで走れば間に合」

内海「おっとここで緊急事態です！　なんと、佐々木くんの補助バックがありません！　これは一体どういうことでしょうか！？」

藤堂「そうですね。教室にでも忘れてきたのではないでしょ」

内海「どうやら椅子の上に置いていたようですね」

藤堂「盲点でしたね」

佐々木「時間、教えてくれてありがとうな、太田。じゃあ、また明日！」

内海「ここで佐々木くん退場です！　また明日ー！」

佐々木、下手へはける。

太田「……で、何があったんだ？」

藤堂「実は、佐々木くんが昔のことを思い出しかけて……」

太田「おお！　それで、結果は？」

内海「……残念ながら」

太田「そう、か。やっぱ一筋縄じゃいかないな。佐々木の失った記憶を取り戻すのは」

間

藤堂「……去年の今頃から、ですっけ」

太田「うん……」

内海「なんで消えちゃったんだろうな。佐々木の記憶」

太田「さぁ。突然のことだったからな」

内海「過度なストレスとか？　佐々木、よく人の相談に乗ってるし」

藤堂「相談される側の人がストレス過多で記憶失うって、まるで木乃伊取りが木乃伊になるみたいですね」

太田「もしくは、記憶を失うほどショックな出来事があったか……」

間

内海「ま、何にせよ、佐々木には一刻も早く記憶を取り戻してもらいたいね」

藤堂「そうですね。佐々木くんは、僕達の大切な幼馴染ですから」

太田「全員が本当の意味で揃う日が、早く来るといいな」

内海「だね。じゃあ、俺達も帰ろっか」

藤堂「そうですね」

内海「あー、お腹空いた！　太田、唐揚げ食いに行こうぜ」

太田「あっ、うん」

内海「藤堂も行く？」

藤堂「僕は、塾があるので遠慮します」

内海「ふぅん、大変だね」

内海、藤堂、下手へはける。

太田「……一刻も早く、か……」

内海「太田ー！　先行くぞー！」

太田「わっ、待ってまってー！」

太田、下手へはける。
暗転。




朝比奈が席に着いたら、青ホリゾントと暗い照明、音楽。
佐々木、下手から登場。

佐々木「あれ、今日部活は？」

朝比奈「今日はないよ。佐々木は、今日も相談事？」

佐々木「そうそう。今日はA組の中田さん」

朝比奈「あー、あの水泳上手な人？　珍しいね」

佐々木「うーん、なんか、新しく部長に選ばれたけど、できるか不安なんだって」

朝比奈「なるほど。部長って、大変そうだもんね……」

佐々木「だよなー。でもさ、中田さんほど部長に適してる人、いなくない？」

朝比奈「うん。あの人、いつも笑顔で、周りにすごく気を配れるよね。尊敬する」

佐々木「本当そうだよ。もっと自分に自信、持っていいのにな」

朝比奈「……そう、だね……」

佐々木「あ、もうこんな時間。じゃあな」

朝比奈「ばいばい」

佐々木、下手にはける。
音楽、照明、フェードアウト。




舞台上では太田、内海、藤堂が談笑。
最初と同じ照明で明転。
佐々木、下手から登場。手には一冊のノート。

内海「おー佐々木、お疲れー」

佐々木「お疲れ。なぁ、これさ、俺の机の上に置いてあったんだけど、誰のものかわかる？」

佐々木、手に持ったノートを掲げる。

藤堂「さぁ……」

太田「なぁ佐々木、ちょっと貸してくれ」

佐々木「いいよー。でもなんで？」

太田「中見れば誰のかわかるだろ」

佐々木「あっ、確かに！」

内海「えっ、気づかなかったの？」

佐々木「いやぁ、人様のノートを勝手に見るのは少々抵抗がありまして･･････」

藤堂「でも、持ち主を探す目的ならいいんじゃないでしょうか。このままでは埒が明きませんし」

内海「それもそうだね」

佐々木「太田ー、誰のかわかったか？」

太田「いや、全くわからな……ん？」

藤堂「どうしました？」

太田「ねぇみんな、ちょっと聞いてて」

太田「『このノートを見つけた人へ。
　　　これを読んでいるということは、僕はどこか遠くにいるのでしょうね。普通な
ら、探さないで下さい、と書くことでしょう。僕も最初は、そう書こうかと思い
ました。しかし、興味のあることにはまっしぐら、裏を返せば、興味のないこと
には目もくれない君達は、探さないで下さい、と書いてあったら探さないだろう
な、と思ったので、あえて書きませんでした。』」

佐々木「おぉ、俺たちのことよくわかってるじゃないか！」

藤堂「えっ、僕ら今、貶されてるんですよ！？」

内海「ほら、佐々木はそういう所鈍いから……」

藤堂「根っからのポジティブ思考ですか。人生、楽しそうですね」

佐々木「人生は楽しむものだよ！」

藤堂「うわぁ眩しい」

太田「続き読むよー。
　　『そうです。僕は、君達に僕のことを探してほしいと思っているのです。理由は特
にありませんが、強いてあげるとするなら、落ち着いたから、です。詳しい事情
は省きます。きっとこの日記の中で、僕が消えた理由などはわかるでしょう。ヒ
ントはそこら中に散らばっています。見逃さないように、目を皿にして、探して
ください。それでは、君達と会えることを楽しみにしています。2018年3月』
……だって」

内海「は、はぁ……」

藤堂「それ、最近のものですね。2018年って書いてありますし」

佐々木「ってことは、この人が失踪してから、あんまり時間は経ってない、ってこと？」

太田「そうなるな。ノート自体も、古びた感じは受けないし……」

藤堂「でも、この人……仮にAさんとしますが、Aさんが失踪してから今まで、このノートはどこにあったんでしょうか？」

佐々木「確かに。人から人へ渡ってきたにしろ、どこかに落ちていたにしろ、こんな綺麗な状態を保つのは難しいよな」

内海「誰か一人が、大切に持ってたのかな？」

太田「というか、なんで佐々木のとこにあったんだ？」

佐々木「床に落ちていたのを俺のものだと思って、誰かが机の上に置いた、とか？」

藤堂「でも、なんで学校にあるんでしょうか」

内海「なんでだろう……」

沈黙。

太田「まぁ、とりあえず読んでみないか？　話はそこからだ」

藤堂「そうですね。今のままだと謎だらけですし」

佐々木「じゃあ読もうぜ」

一同、太田の元に集まる。
間

太田「……あああ暑苦しい！　離れろお前ら！！」

藤堂「えっ、だってこうしないと読めないじゃないですか」

太田「そんなの、誰か一人が代表で読めばいい話だろ？」

内海「おぉー、さすが太田。ナイスアイデア！」

藤堂「チッチッチ、Nice ideaだ」

太田「お前は一体なんなの」

内海「じゃあ読む人を決めよう。誰が読む？」

佐々木「はいはいはーい！　俺読みたい！」

太田「おぉ、じゃあ佐々木よろしく」

太田、佐々木にノートを渡す。

内海「ねぇ、古今東西しよう！」

太田「唐突だな。あれ、デジャヴ」

内海「じゃあ古今東西、動物の名前ー！　ハシビロコウ！」

藤堂「イリオモテヤマネコ」

太田「犬」

内海「オオオオハシ！」

藤堂「ウッカリカサゴ」

太田「ちょっと待って！　出てくる名前特殊すぎない！？」

内海「なんだよ太田、今は古今東西中だぞ！」

太田「それでも突っ込まずにはいられなかったんだよ！　お前らの微妙なチョイスに！！」

藤堂「なら、次はもう少し有名な名前を出していきましょう」

太田「あぁ、そうしてくれ。俺が浮いて仕方ない……」

内海「じゃあ改めて、古今東西、星の名前ー！　メサルチム！」

藤堂「テクネチウム星」

太田「北極星」

内海「ウォルフ・ライエ星！」

藤堂「青色はぐれ星(ぼし)」

太田「アンタレス」

内海「黄色極超巨星(おうしょくごくちょうきょせい)！」

藤堂「ブラックウィドウパルサー」

太田「一回目よりもマニアックだよね！？」

藤堂「えっ、結構有名だと思いますが……」

太田「いやいや、絶対マイナーだって！　高校生100人に聞いたら99人が知らないって答えるヤツばっか出してたよお前ら！！」

内海「そうか？　ねぇ佐々木、黄色極超巨星って有名だよね？」

佐々木「ん？　あぁ、あれね。逆に知らない人いるの？」

太田「俺がおかしいのかな……」

藤堂「そういえば、佐々木くんはその日記、読み終わったんですか？」

佐々木「まぁ、ザッとだけどね」

太田「なんか、気づいたこととかあるか？」

佐々木「それなりにあるよ」

内海「話してはなしてー」

佐々木「これを書いたAさんは、どうやら高校生みたいだ。何年生かはわからないけど、時々『高校』って単語が出てくるから、多分そうだと思う。……あまり、学校には行けてないようだけどね」

内海「それ書いたの、男子だよね？」

佐々木「いや、わかんない。一人称は『僕』だけど、言葉遣いはどことなく女らしい」

内海「そっか。まぁ、文章だけで性別なんてわかんないよね」

佐々木「それで、こっからが俺の感想なんだけど……決定的な根拠はないし、確固たる自信もない。この日記に信憑性もなければ、いたずらの可能性も拭えない。けど、そうだとしても、俺は……この日記の作者、Aという人物を探したい。みんなは、どう思う？」

内海「俺は賛成！　乗り掛かった船、ってやつだ！」

藤堂「僕も賛成です。不謹慎ですが、謎解きのようで少し興味が湧きました」

太田「俺も。佐々木なら絶対、探そうって言うと思ってたし」

佐々木「みんな……ありがとう！」

内海「じゃあさ、その日記、一日一人ずつ読んで回して、一周したら集まろう。そっちの方が効率的だし！」

佐々木「そうだな。じゃあ、今日は俺が持って帰っていいか？」

太田「あぁ。次は、俺が読んでいいか？」

内海「いいよー。じゃあ俺、太田の次ー！」

藤堂「僕が最後ですね」

佐々木「よっしゃ！　じゃあ、日記の作者Aを探し隊、結成だー！」

太田/内海/藤堂「「「おー！！」」」

佐々木「じゃあ俺、先に帰るわ。また明日なー！」

内海「ばいばーい」

佐々木、下手にはける。

藤堂「日記、ですか」

内海「ん？　どうかした？」

藤堂「あぁ、少し……夏休みの宿題で、一言日記ってあったなぁ、と思い出しましてね」

内海「あー、あったね！　なっつかし～」

太田「内海は毎年、31日になってから書いてたよな」

内海「あれさ、簡単そうで結構大変だよな。毎日違うこと書かなきゃだし」

太田「そういや、藤堂は小学生の頃の夏休み、毎日家にいたよな。なんて書いてたんだ？」

内海「えっ、海に行ったり映画観に行ったりしてなかったっけ！？」

藤堂「そんなの嘘八百ですよ。第一、僕は父が仕事で忙しいので、どこにも連れていってもらったことはありません」

太田「そっか。藤堂は、父子家庭だったな」

内海「え、てか待って、嘘ついてバレなかったの！？」

藤堂「僕が行ったと言えば行ったことになるんですよ」

内海「うわ、ずるい……」

藤堂「ずる賢いと言ってください」

太田「……なぁ、少し、思ったんだけど」

藤堂「なんですか？」

太田「もし、佐々木が日記をつけていたら……記憶は失われなかったのかな」

内海「……ん？　どういうこと？」

藤堂「日記を書いていたら、それを読み返して、思い出すことができたかもしれない、ということですよね？」

太田「そうそう。それに、俺達がなんらかの方法でその日記を見ることができたら、佐々木が記憶を失った原因もわかっただろうし」

内海「おー、確かに」

藤堂「まぁ、後の祭りですけどね」

内海「あの日記を書いたのが、佐々木っていう可能性は？」

藤堂「ないでしょうね。書くメリットが思いつきません」

内海「単なるいたずらとかは？」

藤堂「それにしては、手が込みすぎだと思います」

内海「んー、それもそっか……」

太田「この日記を書いたのが、佐々木だったらよかったのにな」

内海「本当そうだよ。そして記憶が戻ったら、全てが元通りに……」

太田「……は、ならないのか」

佐々木、下手から走って登場。

佐々木「忘れ物したああああああああ！！」

内海「うおおおおおおおびっくりした！！」

佐々木「あれ？　お前らまだ残ってたのか。下校時刻、過ぎてるぞ？」

太田「えっ、うわマジだ！　急がないと出れなくなる！」

藤堂「塾に遅れてしまう！！」

内海「俺は何もない！」

太田「家に帰れなくなるけどいいのか？」

内海「それは嫌だ！　急ごう！」

四人、大慌てで下手へはける。
暗転。




舞台上には藤堂。
最初と同じ照明で明転。
内海、下手から登場。

内海「よっ。はい日記。藤堂で最後だよね？」

藤堂「そうですよ」

内海「おっけー」

内海、下手へはける。

藤堂「……2月21日。今日は、空が綺麗だった。2月22日。今日は、少し勉強をした。2月23日。今日は、朝から散歩をした。……至って、普通の日記ですね。学校に来れなくなった理由なども書いてありませんし……」

間

藤堂「……3月2日。今日は、家族と山登りをした。3月3日。今日は、友達の誕生日だった。3月4日。今日は、昔の夢を見た。空が赤く染まった頃、教室で、大切な友達を怒らせてしまった日のこと。彼は僕に『嫌いだ』と言った。『周りからの評価に怯え、出来もしないのに断れなくて、自分のことしか、考えてない所、が嫌い、だ』と……」

藤堂「こ、これは……」

スポット消す。




舞台上には藤堂と朝比奈。
青のホリゾント、少し明るい照明は音楽と共にフェードイン。

朝比奈「ねぇ藤堂。お願いがあるんだけど……」

藤堂「何ですか？」

朝比奈「この資料のデータを打ち込まなきゃなんだけど、私、やり方わかんなくて……藤堂は、できる？」

藤堂「できますよ」

朝比奈「えっと、じゃあ、お願いしてもいいかな？」

藤堂「別に、これくらい構いませんよ」

朝比奈「ほ、本当にいいの？　結構大変だよ？」

藤堂「そう思うんなら、頼まなければいいでしょう」

朝比奈「そ、そうだけど……私がするより、藤堂がする方がいいかなって思って……」

藤堂「……なんなんですかさっきから。煮え切らない態度をとって」

朝比奈「ご、ごめん」

藤堂「この際なので言わせてもらいますが、前々から、貴方の態度が気に入りませんでした。周りを気遣っているつもりなのかもしれませんが、それは、自分が傷つきたくないからじゃないですか？」

朝比奈「そ、そんなこと」

藤堂「第一、貴方は周りからの評価に怯え、出来もしないのに断れなくて、自分の事しか考えてないですねよ？　そういう所が、僕は嫌いです」

朝比奈「え……」

藤堂「優しさと弱さを履き違えてはいけない、ということは、知っておいた方がいいと思いますよ。それでは」

藤堂、下手にはける。
朝比奈、立ち尽くす。
照明、音響、フェードアウト。




舞台上には太田。
最初と同じ照明。
内海、下手から登場。

内海「おっつー……って、あれ？　藤堂は？」

太田「さぁ？　何か頼まれ事？」

内海「えー、あいつに限ってそれはないだろ。頭は良いけど愛想はないし、大体無表情で何考えてるかわかんないし、愛想はないし、愛想はないし」

太田「愛想がない以外にいう事はないのか？」

内海「……頭以外、何も良くない？」

太田「どうして疑問形なんだ……」

内海「他にも良い所あるかもなって思って」

太田「例えば？」

内海「……」

太田「待て、そこで黙ると藤堂に失礼だ。流石に可哀想になってきた」

内海「真面目に考えてちゃった。てへっ☆」

太田「お前が言っても可愛くないから。てか、内海がこんなに藤堂をコケにするって珍しいな。いつもは逆だろ？」

内海「いや、半々だよ。コケにしつつされつつ」

太田「仲良いんだな。ケンカでもしたのか？」

内海「いや、ケンカはしてないよ。……まだ、ね」

太田「どういうことだ？」

内海「俺の言う言葉に大した意味はないって、幼馴染だからわかるよね？」

太田「そうだな。お前バカだもんなぁ」

内海「えっ、めっちゃストレートに言われた……」

太田「アッハッハ」

内海「あっ、一人いた」

太田「何が？」

内海「藤堂に頼み事する人」

太田「話がすごい戻ったな。誰だ？　先生とかは無しだぞ」

内海「違う違う。……朝比奈だよ」

太田「あぁ、そうだったな」

内海「朝比奈もよく頼られてたからな。一人でできない時は、藤堂に頼んでたみたいだね」

太田「藤堂も、幼馴染だからか、快く引き受けてたよな」

内海「『僕の時間が取られるー！』って俺に愚痴ってたけどな」

太田「ハハッ、想像できるわ。それでトラブルとかあったろ？」

内海「あったあった。確か、藤堂の虫の居所が悪かった時で……」

藤堂、下手から登場。

藤堂「こんにちは」

内海「おー、藤堂やっときた」

藤堂「さっきからくしゃみが止まらないんですけど、僕の噂でもしてました？」

内海「してたよー。藤堂の襟っていつも立ってるよなって」

藤堂「えっ！？」

内海「冗談だよ」

藤堂「そうですか……」

太田「……気のせいか」

藤堂「何か言いましたか？」

太田「いーや、何も」

藤堂「はぁ、そうですか。あ、日記です」

太田「あぁ、ちょっと貸して」

藤堂「どうぞ」

間

内海「佐々木、来るの遅いな」

太田「また何か頼まれ事か、相談事じゃないか？」

内海「そうだね。あいつは何かと頼られるもんな」

太田「小学生の時も、六年間ずっと学級委員長じゃなかったっけ？」

内海「そうそう！　流石にあれは笑ったわ！」

太田「もう最後の二年間とか、自分で立候補してたもんな！」

内海「まぁ立候補しなくても、選ばれてたけどな！」

太田「ハハッ、確かに」

間

内海「……なんで、こんな楽しい思い出も忘れちゃったんだろうな」

太田「さぁな。なにか分かればいいんだろうけど」

藤堂「あの……」

内海「ん？　なんだ藤堂」

藤堂「その……思い出さなくても、いいんじゃないでしょうか」

太田「……は？」

藤堂「だから、その……無理に、佐々木くんが過去のことを思い出す必要はないんじゃないでしょうか」

内海「えっ、なんで？」

藤堂「過去の記憶って、必ずしも良いものばかりじゃないんですよ。思い出したくもない出来事とか、目も当てられない失敗とか、そんなことも沢山あるんです」

内海「あー確かに。先生に怒られた記憶とかは消したいなぁ」

藤堂「そして、記憶は何度も思い出すことで、より鮮明に残るんですよ。特に嫌な思い出は、折に触れて思い出しやすいから、余計、色濃く刻まれるんです。もし、佐々木くんが記憶を失った原因が、忘れたいほど嫌な出来事だったら……」

太田「忘れたままの方が、幸せなんじゃないか、ってこと？」

藤堂「そうです」

内海「なるほどねぇ。そっか、そういう場合もあるのか」

藤堂「それに、今のままでも佐々木くんは楽しそうに見えますし、生活にひどく支障をきたしているわけでもありません。だから、いつか自然に思い出すのを待って」

内海「ねぇ、それさ、本当に思ってる？」

藤堂「……え？」

内海「過去ばかりに囚われないで、未来に目を向けようってことを言いたいんだよね、藤堂は。でも、それは言い換えたら、過去を切り捨てるってことだよね」

藤堂「……何が、言いたいんですか」

内海「お前は、朝比奈を、忘れようとしている」

間

藤堂「ど、どうしてここで、朝比奈さんの名前が出てくるんですか。彼女は、一年前に学校に来なくなったじゃないですか」

内海「確かに朝比奈は、一年前に俺らの前から姿を消した。……お前のせいでな」

太田「えっ……藤堂？」

内海「3月4日の日記。『今日は、昔の夢を見た。空が赤く染まった頃、教室で、大切な友達を怒らせてしまった日のこと。彼は僕に「嫌いだ」と言った。「周りからの評価に怯え、出来もしないのに断れなくて、自分のことしか考えてない所が嫌いだ」と。確かにそうだ。僕は、自分の事を一番に考えてしまっていた。いや、今でもそれは変わらない。だから、逃げたのだ。……原因は、これだけではないけれど』」

太田「その日の日記が、どうしたんだ？」

内海「この『大切な友達』って、お前だろ？」

内海、藤堂を指差す。

藤堂「どうして、僕だとわかるんですか？」

内海「去年の十月頃……朝比奈が学校に来なくなる二日前の夜、朝比奈から電話があった。『弱くて自分勝手な私のせいで、藤堂を怒らせてしまった』って。そこで、その日あったことを全部話してもらった。だから俺は、これを読んだ瞬間にわかったんだ」

太田「えっ、ということは……」

内海「あぁ、この日記を書いたのは……朝比奈だ」

間

藤堂「……あの日のこと、知ってたんですね」

内海「あぁ。色々あって有耶無耶になってたけど、忘れたことはなかった。彼女がどれほど傷ついたかを、何度もお前に言おうと思った。だけど、あの夜、朝比奈は言った。『変わりたい。変わって、藤堂に謝りたい。そして、また藤堂と仲良くなりたい』と。その言葉を信じて、俺は何も言わなかった。もしかすると、藤堂も反省しているんじゃないのか、って期待してた。だけど……違ったみたいだな」

藤堂「いや、違いません」

内海「違う！」

藤堂「違わない！」

内海「どこがだ！」

佐々木、下手から登場。

藤堂「俺だって、朝比奈を傷つけたいわけじゃなかった！」

内海「……え？」

藤堂「俺は、朝比奈が羨ましかった。学力、運動神経、友達……母親。俺にないものを全て持っていた。幼い頃から一緒にいたはずなのに、どうしてこんなに違うのだろうと悩み、妬んだ。弱いのも、自分のことしか考えていないのも、俺の方だってわかってる。でも、朝比奈がいなくなった今、俺はどうしたらいいのか、わからないんだ……」

太田「藤堂……」

佐々木「あさ、ひな？」

太田「えっ、佐々木っ！？　お前、いつからそこに……」

佐々木「藤堂、あさひなって……」

内海「……佐々木、本当に何も思い出せないの？」

佐々木「思い出す？　何をだ？」

内海「みんなで、鬼ごっこをしたこと。海に行ったこと。かまくらを作ったこと。桜も、花火も、紅葉も、雪も、幾度となく見たこと。幼い頃からずっと、俺達は一緒にいること」

佐々木「な、何を……」

藤堂「そして、その中に朝比奈がいたこと」

佐々木「……あさ、ひな」

内海「ねぇ、佐々木、思い出してよ。俺達との過去を……朝比奈のことを」

佐々木「朝比奈……」

照明、佐々木にスポット。

佐々木「そうだった。俺達は、四人じゃなくて五人だった」

太田、内海、藤堂は上手にはける。
朝比奈、上手から登場。机に突っ伏す。

佐々木「俺、太田、内海、藤堂、朝比奈。五人は小さい頃から一緒で、本当に仲が良かった。このままずっと一緒にいるのだろう、そう思いながら毎日をすごしていた……あの日までは」

佐々木のスポットを消す。
佐々木、下手にはける。
青のホリゾント、照明をつける。
佐々木、下手から登場。

佐々木「……朝比奈？」

朝比奈、佐々木の呼びかけに反応して起きる。

朝比奈「あ、佐々木……」

佐々木「具合でも悪いのか？　それとも、悩み事か？」

朝比奈「いや……なんでもないよ」

佐々木「そ、そうか」

朝比奈「それより、佐々木は今日も相談事？」

佐々木「うん。今日は、B組の宮崎くん」

朝比奈「あー、あのバトミントン部の人？」

佐々木「そうそう。なんかさ、ペアと上手くやれてないんだって」

朝比奈「そうなの？」

佐々木「らしいよ。宮崎くんは部内で一番手の人とペアを組んでるんだけど、それがプレッシャーになってシャトルに触りにいけないんだって。だから、ペアの人にいつも迷惑をかけてしまうって言ってた」

朝比奈「そうなんだ」

佐々木「だから、失敗を恐れないでって言った。誰しも完璧じゃない。どこか欠落している。その欠落部分を埋めるのが練習で、補うのがペアの役割。だから、どんどん失敗してどんどん頼っていいと思う。大切なのは、最後の大会で笑って終われるかどうかだから」

朝比奈「うん、そうだよね……すごいよね、佐々木は」

佐々木「え、何が？」

朝比奈「ほら、私と違って佐々木はさ、周りから信頼されて、相談事とか乗って、誰かを元気にしてるじゃん？　私なんて、自分が傷つかないようにってことしか考えてないから、すごいなって思って……」

佐々木「それは買い被りすぎだよ。朝比奈にだっていい所はいっぱいあるんだから、そんなネガティブに捉えないで、もっと明るい方向に考えようぜ」

朝比奈「……それが出来たら、どれだけよかっただろう……」

佐々木「ん？　なんだって？」

朝比奈「なんでもないよ」

佐々木「そっか……って、それ今日二回目だな」

朝比奈「え、そうだっけ？」

佐々木「うん。さっきも『具合悪い？』って聞いたら『なんでもないよ』って返されたし……なんかあったのか？」

朝比奈「いや、本当になんでもないよ」

佐々木「嘘だな。絶対なんか隠してるだろ」

朝比奈「なにも隠してなんか」

佐々木「朝比奈は、遠慮してるのか知らないけど、自分の意見を言わない時が多いよな。まぁ俺だって、色々考えて言いたい事言えない時はある。でも、もっと自分に自信持って、思ってる事は伝えていった方がいいぞ。嫌な時は嫌って言いな。断らないのは、優しさじゃなくて弱さだから」

朝比奈「……わかってるよ……」

佐々木「え？」

朝比奈「そんなの、わかってるよ！」

佐々木「えっ、朝比奈？」

朝比奈「嫌な時に嫌って言えないのは、相手に嫌われるのが怖いからだよ！　自分の正直な気持ちを伝えて相手を不快にさせるくらいなら、自分が我慢すればいいんだって思ってるの。それが弱さだってことくらいわかってる。でも、今更どうすればいいのかわからない。こんな生き方しか知らない私は、どうすればいいのかわからないの！」

佐々木「あさひ」

朝比奈「優等生の君には、私の気持ちなんてわかんないだろうけど！」

間

朝比奈「あっ……ごめん」

朝比奈、下手へはける。
佐々木、立ち尽くす。
暗転。




佐々木にスポット。
佐々木のセリフの間に、太田、内海、藤堂、上手からスタンバイ。

佐々木「それから、朝比奈は学校に来なくなってしまった。最初俺達は、数日で戻ってくると思っていた。しかし、季節が変わっても、学年が変わっても、朝比奈は帰ってこなかった。朝比奈が消えたその日、彼女が奪っていったかのように、俺の記憶が消えた。太田も、内海も、藤堂も、何も言わなかった。それから、一年が経った」

スポット、フェードアウト。
照明、つける。

佐々木「これが、朝比奈が消えた日の出来事」

太田「佐々木、お前……」

佐々木「うん。記憶、取り戻したよ。ごめんね、たくさん迷惑かけて」

内海「全然！　それより、佐々木の記憶が戻ってよかったよ」

藤堂「えぇ、そうですね」

太田「それで、どうする？」

佐々木「どうするって、何が？」

太田「朝比奈に、会いに行くかどうかってこと」

佐々木「あ、あぁ……」

藤堂「……僕、会いたいです。会って、あの日のことを謝りたいです」

内海「俺も、逆に会いに行かない理由がなくない？」

太田「佐々木は？」

佐々木「……俺も、会いたい！」

太田「よし、じゃあ会いに行くか！」

暗転。椅子、机、片付ける。椅子と机は１セット舞台後方へ(朝日奈の勉強机)。
下手側に布団を敷く。




照明、最初より照らす範囲を狭くする。
朝比奈、布団にくるまる。
明転。

佐々木「入って、いいか？」

朝比奈「……どうぞ」

四人、上手から登場。

佐々木「朝比奈、久しぶり」

朝比奈「うん、久しぶり」

佐々木「あの……げ、元気だった、か？」

朝比奈「……そこそこ、かな。みんなは？」

内海「俺たちは、元気だったよ」

朝比奈「そっか」

太田「……朝比奈がいなかった寂しさを除いては、な」

朝比奈「…………ごめんね」

佐々木「違っ、朝比奈が謝ることじゃない！」

朝比奈「えっ」

佐々木「一年前、俺は、朝比奈の気持ちも考えず、偉そうなことを言って、朝比奈を傷つけた。誰かを傷つけることなんて初めてで……いや、誰かを傷つけたと自覚したことが初めてで、俺は、怖くなった。今まで、知らず知らずのうちに傷つけてしまった人がいるのではないか、その人は今でも傷ついたままではないのだろうか。そんな考えが頭を埋め尽くして……俺は、記憶を失った……ふりをした」

太田「えっ、それって」

佐々木「あぁ。実は、半年くらい前に記憶が戻ったんだ。お前達にそのことを言おうかと思ってたけど……言い出せなかった。現実から、朝比奈から、目を逸らして、逃げ続けた。半年が過ぎても、俺は弱いままだった」

内海「……佐々木……」

佐々木「でも、この日記を読んで気づいたんだ。あぁ、朝比奈は、変わったんだなって。自分が一番辛いはずなのに、過去を乗り越えて、俺達に会う決心をした。そんな思いを、この日記という形で突きつけられて、逃げられるはずないよな。そこでやっと俺は、一歩踏み出した。朝比奈のお陰だ。本当に、ごめんなさい。そして、ありがとう」

朝比奈「そんな……私は何もしてないし、何も変わってないよ。逃げ出したあの日と変わらない、今でも臆病なまま。それに、あれは佐々木が謝ることじゃない。私の心が弱いからそうなっただけで、どちらかと言わなくても、私が謝らなきゃいけないことだ。ごめん、佐々木」

佐々木「そんな、朝比奈が謝ることじゃないよ……」

藤堂「そうですよ。この原因を作ったのは、他の誰でもない、僕なんですから」

朝比奈「藤堂？」

藤堂「僕は一年前、貴方にとても身勝手なことを言って、貴方を深く、深く傷つけました。自分のことしか考えてないは、僕の方です。そして、佐々木くんと同様に、僕もまた、貴方から目を逸らし続けていました。あまつさえ、貴方をなかったことにしようともしていました。でも、内海くんに言われて、初めて気づきました。貴方の強さと……優しさに。消えない傷をつけてしまったこと、許さなくて構いません。僕のことを、一生恨んでも構いません。本当に、申し訳ありませんでした」

朝比奈「……藤堂、私、あの時すごく傷ついた」

藤堂「……すいません」

朝比奈「でもね、やっと藤堂の本音が聞けたと思って、傷ついた半面、嬉しかった。もっと、藤堂と仲良くなりたいと思った。向き合いたいと思った。強くなれる、きっかけをくれた。だから、ありがとう」

藤堂「……貴方は本当に、どこまでも、優しいんですね」

朝比奈「内海もありがとうね。あの時、話聞いてくれて」

内海「おぅ、いいってことよ」

間

佐々木「そういえば、あの日記は朝比奈が書いたんだよな？」

朝比奈「あっ、それさっきも言ってたけど、なんのことなの？」

内海「えっ……どういうことだ？」

太田「あぁ、あれは、俺が書いたよ」

間

佐々木「えっ、太田が！？」

内海「何のために！？」

太田「実は少し前、朝比奈から電話があったんだ。『もう一年が経ってしまった。このままだと一生みんなに会えなくなってしまう。また前のように戻りたいけど、今更合わせる顔がない。助けてほしい』ってな」

朝比奈「それで、一年前にあったことを全部話したの。そしたら太田が『俺に任せろ』って言うから、どうするのかなって思ったけど、まさか日記とは……」

太田「朝比奈、夏休みの課題の一言日記、ちゃんと毎日つけてただろう？　それで、朝比奈なら日記を書いててもおかしくないなって思ったんだ。それに、日記だったらその日あった出来事も、その時自分が感じたことも、自然に書けるからな」

佐々木「おぉ、結構考えてたんだな」

太田「まぁ、佐々木にも、早く記憶を取り戻してほしかったし」

佐々木「太田……」

内海「ねぇ太田、一個質問いい？」

太田「なんだ？」

内海「太田は日記を、朝比奈が書いたように見せたかったんだよね。じゃあ、なんで一人称を『私』じゃなくて『僕』にしたんだ？」

太田「簡単にわかったら、面白くないだろ？」

内海「ってことは、俺達は太田の手のひらの上で転がされてたってこと？」

太田「言い方めちゃくちゃひどいな……」

藤堂「仕方ないですよ、太田くんは魔性の男ですから」

太田「それ普通『魔性の女』じゃないのか」

内海「つーか、太田と佐々木の演技力高くね！？　半端ないって！」

藤堂「僕達、あっさり騙されてしまいましたよ……」

内海「もう二人の事信じられねぇ……藤堂、朝比奈、これからは三人で仲良くしようぜ」

佐々木「おぉ、目の前でハブる宣言されたの初めてだ」

朝比奈「うん！　三人での、再出発だね！」

太田「朝比奈サン！？」

藤堂「もちろん、冗談ですけどね」

太田「よかった。冗談じゃなかったら、俺達泣いてたよ」

佐々木「いや、俺は、泣かないぞ」

太田「えっ、薄情じゃないか？」

佐々木「家に帰ってから泣き喚く」

太田「俺よりもダメージ大きかったな！」

朝比奈「……よかった。また五人で笑えて」

佐々木「あぁ。変わらないよ、この五人は」

音楽、流れる。

内海「そうだ！　しりとりしよう！」

太田「また唐突だな」

佐々木「じゃあ俺から！　しりとり！」

内海「リッチ！」

藤堂「チッチッチ、richだ」

太田「本当にお前はなんなわけ！？」

佐々木「あー、また太田の負け」

内海「本当に太田は学習しないな」

朝比奈「太田、しりとり弱いね」

太田「めっちゃ攻められるんだけど……つか、朝比奈はこの前のこと知らないだろ？」

朝比奈「この前のことって？」

佐々木「いや太田がさ……」


五人、楽しく談笑をする。

閉幕 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2023-07-16T10:41:27+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://piyo80.novel.wox.cc/entry4.html">
		<link>https://piyo80.novel.wox.cc/entry4.html</link>
		
				
		<title>燻る煙草は口に苦し(朗読劇用)</title>

		<description>燻る煙草は口に苦し(朗読劇用)



登…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 燻る煙草は口に苦し(朗読劇用)



登場人物
　佐川…ヤニカスの20歳　男
　宮木…酒カスの23歳　性別未定
　母…佐川の母
　ナレーション…淡々とした声で状況説明


開幕

ナレーション「それは、三月も暮れに近い夜のことでした。青年は公園を一人、星明りを頼りに歩いていました」

　SE、砂の上を歩く音

ナレーション「彼の名を、佐川といいます。二十歳前後の大学生で、少しだけ猫背気味です。やがて彼は、常夜灯に照らされたベンチに腰掛け、上着から白い箱を取り出しました」

　SE、ライターで火をつける音

ナレーション「彼は毎晩、ここで煙を燻らせています。今夜も変わらず、一つ、また一つと、静かに灯火をつけては、夜に溶かしていました」

佐川「さむ……」

ナレーション「夜の静けさを破るのは、彼の呼吸と、ライターの音。深々と夜は更けていきます。彼は小さく、息を吐きました。その白さは、まだ残る寒さによるものか、そ」(れとも)

宮木「あの」(ナレーションに被せて)

佐川「うわああああああああああ！」

宮木「そんなに？」

佐川「え、あ、すみません。その、足音も何も、しなかったので」

宮木「あぁ。癖になってるんですよね」

佐川「え？」

宮木「冗談ですよ」

佐川「はぁ」

ナレーション「いきなり現れたその人物は、宮木という名前をしています。こういうとまるで人間じゃないように感じるかもしれませんが、しかしながら本当に、それを人間だと思うことができないのです。三寒四温の三寒にあたる夜だというのに、スーツ一枚で佇むその姿は、浮世離れしていました」

宮木「あの、お隣、いいですか？」

佐川「え？　あー、はぁ」

宮木「失礼します。あっ、煙草、消さなくていいですよ」

佐川「あ、そうですか？」

宮木「はい」

宮木、咳払い

佐川「あぁ、そっち風下になりますね。場所変わります？」

宮木「はい。お気遣いありがとうございます」

佐川「いえ」

ナレーション「再び、夜は静寂に染められます。静寂、ではあるのですが、先ほどまでの清閑な静けさとは違った、気もそぞろになるようなしじまが、そこにはありました。牛乳に一滴だけコーヒーを加えたような、あるいは、コーヒーに一滴だけ牛乳を」(加えたような)

宮木「よく、ここに来るんですか？」(ナレーションに被せて)

佐川「え？」

宮木「あ、よく、ここに来るんですか？」

佐川「あぁ、はい。あなたも？」

宮木「私は、機会があれば、ですね」

佐川「機会、ですか」

宮木「えぇ。あ、お酒飲んでもいいですか？」

佐川「えっ、はぁ」

宮木「ありがとうございます」

　SE、缶を開ける音

宮木「……っかぁ！　沁みるぜ！」

佐川「お酒、お好きなんですか？」

宮木「まぁ、割と。君は？」

佐川「僕は、あまり飲まないですね。まだ学生ですし」

宮木「え、まさか未成年喫煙？」

佐川「成人してます」

宮木「あぁ。大学生？」

佐川「そうです」

宮木「そっかそっか。いいなぁ、大学生」

佐川「大学、通われてたんですか？」

宮木「いや、高校卒業して、そのまま就職した」

佐川「そうなんですね」

宮木「そうそう。私もキャンパスライフとやらを送ってみたかったなー。友達と夜遅くまで飲んだり、新歓で酔いつぶれたり、バイト先の先輩たちと飲み会したりしたかったな！」

佐川「お酒関連しかないですね」

宮木「まぁ、学生は飲んでなんぼでしょ！」

佐川「すごい偏見ですね。……そんなものじゃ、ないですよ」

宮木「え、そうなの？」

佐川「えぇ。人によりますけど、僕は夜遅くまで誰かといるってことがないですね」

宮木「そうなんだ。夜は苦手？」

佐川「いえ、好きですよ。夜の、寝静まった感覚が好きです。町も人も太陽も、瞼を閉じて夢に浸る。子供のころの味わえなかった特別を楽しんでいる気がして、とても好きです」

宮木「あぁ、わかるかも。夜は全てを許してくれそうだし」

佐川「そうですね」

宮木「あと、人ならざるものとも、出会うかもしれないしね」

佐川「えっ」

宮木「冗談だよ」

佐川「はぁ」

宮木「でも、じゃあなんで夜に出掛けないの？　友達がいないとか？」

佐川「いや、友達はいるんですけど……俺、実家暮らしなんですよ。それで、親が厳しくて、親が寝た後にしか外出できないんですよね」

宮木「なるほど。それは大変だね」

佐川「まぁ……でも、あの人は、俺がいないとダメなんです」

宮木「あの人？」

佐川「母親です。早くに父が他界して、俺と母さんの二人だけで暮らしてきたんです」

ナレーション「そう言って佐川が話し始めたのは、母との二人暮らしの日々でした」

　音楽

母『うっ、あなた……』

佐川「母さん、ごはん……なんでもない」

母『あなた……あぁ、いっそ……』

ナレーション「最愛の人を失った佐川の母は、毎日、悲しみに沈んでいました。寝ている時間以外ほぼすべてに涙が存在して、時折、思い出したように佐川に声をかけ、またすぐに滴を落としました。そんな母を、佐川は精一杯支えました。料理も掃除も洗濯も、身の回りのことは全て佐川がしました。大切な母がまた笑えるように、できる限り尽くしていたのです。しかし、ある日」

母『あなたは、お父さんによく似ているわね』

佐川「え？」

母『ふふ……こっちにおいで』

佐川「母さん？」

ナレーション「佐川の母は、突然涙を流さなくなりました。代わりに、佐川に優しく接するようになりました。以前から優しい人ではあったのですが、もう一段階優しくなったというか、人が変わったというか……言葉にできない不穏さが、そこにはありました」

母『これ、似合うんじゃない？　着てみてよ』

佐川「え、でもそれは父さんの」

母『いいから、ほら』

佐川「うーん」

母『あらぁ、やっぱり似合うわねぇ。あ、そうだ。今度それ着てお出かけしましょうよ。どこがいいかしら。海辺の公園とかいいわね』

佐川「母さん、俺は父さんじゃないんだよ」

母『……わかってるわ』

佐川「あ、いや、俺もごめん」

ナレーション「佐川の母は、佐川の向こうに父を見ていました。そのことを指摘すると、決まって母はとても悲しい顔をしました。そんな母を見た佐川は、段々と何も言えなくなりました」

母『え、大学に行く……？　私から、離れていくの？』

ナレーション「もちろん、佐川は大反対されました。父は高卒で就職していたということもあるのでしょう。その頃には、母の中で佐川と父の境界線は曖昧になっており、向こうに見るというより、父にもう一度出会おうとしていました。そんな母の考えに気づいた佐川は、父と最も遠い存在になろうと煙草を吸い始めました。俺と父は違う。目を覚まして。俺を俺だと認識して。説得に説得を重ねて、実家を出ないという条件付きで、大学に通うことになりました。でも、佐川は、母から離れることができない」

母『私から、離れていかないでね』

ナレーション「その言葉に今も」

佐川「囚われ続けています」

　音楽、フェードアウト

宮木「そう、だったんだ」

佐川「あ、すみません長々と」

宮木「いや、いいよ。誰かに話すって、大切なことだから」

佐川「ありがとうございます」

宮木「うん。そっか、君が煙草を吸うのにはそんなわけがあったんだね」

佐川「わけってか、きっかけみたいな感じですけどね」

宮木「そっかそっかぁ」

　間

宮木「でも、それ全部、嘘だよね？」

佐川「え？」

ナレーション「え？」

宮木「今の話。全部、さっき君が考えた、作り話だよね？」

佐川「どういう、ことですか？」

宮木「今日、ここで君に会ったの、偶然だと思う？」

佐川「……いえ」

宮木「だよね」

佐川「最初から、何か目的があるんだろうなとは思っていました」

宮木「だから、本当のことは話せなかった？」

佐川「この話が、嘘だと思うんですか？」

宮木「そうだね、嘘にしては出来過ぎている。いくつかは本当の部分もあるだろう。嘘は、真実を少しだけ混ぜることで、より本物に近い偽物になるからね」

佐川「本物、なんですけどね」

宮木「私はある人から依頼を受けて、君に会いに来たんだ。誰だと思う？」

佐川「さぁ」

宮木「君の、お母さんだよ」

佐川「母さん？　ハッ、それこそ嘘でしょう。だって母さんは、」

宮木「母さんは？」

佐川「……あなたに、頼まない。何も探ることなんてないじゃないですか。それに、母さんはずっと家にいて」

宮木「例えば、君が学校に行っている時間、お母さんは何をしていると思う？　本当にずっと家にいる？　なぜそれが断言できる？　家から出て買い物をしている可能性もある。散歩したくなる時もあるかもしれない。もしかすると、私のところに来ているかも。毎日何を見て何を思って過ごしているかなんて、家族であってもわからない。むしろ、家族だからこそわからないもんだよ」

佐川「それは、そうですが……でも、母さんはあなたに頼めない」

宮木「頼まない、じゃなくて、頼めない、か。そんなに強く否定する理由は？」

佐川「だって、母さんは」

宮木「母さんは？」

佐川「母さん、は……」

宮木「もう、死んでいるから？」

　間

佐川「なんで」

宮木「言ったでしょう。あなたのお母さんから依頼を受けた、と。依頼主のことも把握しておかないと、どこで寝首を搔かれるかわからないからね」

佐川「え、あの」

宮木「いやぁそれにしても驚いたよ。幽霊ってあんなにハッキリ見えるものなんだね。たしかに思い出すと……あぁ、何から聞いたらいいかわからない、って顔してるね」

佐川「すみません、状況が」

宮木「そうだよね。んー、聞きたいのは、私のこと？　それとも、お母さんのこと？」

佐川「……ど」(っちも聞きたいです)

宮木「あーまって。どっちもっていうのはナシ！　話してると、きっと夜が明けてしまう」

佐川「じゃあ、母さんのことを」

宮木「おっけー。君の母さんは、どれくらいかな。もうずっと前に……多分、亡くなる少しだけ前に、私の所へ来たんだ。君が20歳になったら、この手紙を渡してほしい、って。本当はそこで色々と打ち合わせをしなきゃなんだけど、気迫がすごくて、でも、声は儚くて。君の名前と手紙だけ受け取って、それ以上何も交わせなかった。その名前だけ頼りに探して、今日、君と出会えた。いや、出会ったんだ」

佐川「そう、だったんですね。あれ、でも僕、もう20超えてしばらく経ちますが」

宮木「名前だけを頼りに人を見つけるのって、かなり時間がかかるんだ」

佐川「あ、そうですよね。なんかすみません」

宮木「ハハッ、冗談だよ」

佐川「え？」

宮木「本当は、わりと早めに君を見つけてたんだ。すぐに渡してもよかったんだけど、一応依頼だし、20歳になるまで待ってたんだよ。君や君のお母さんのことを調べながらね」

佐川「それは……えっと」

宮木「あぁもちろん、情報はもらしてないし、悪用するつもりもないよ。ただ、この依頼の安全性を確かめてただけさ。まぁ、だとしても、知らない人に身辺を調べられるのは、気分が良くないよね。ごめんね」

佐川「いえ……じゃあ、なんで？」

宮木「君が20歳になる前日、またしても君のお母さんは私の所に現れたんだ。もちろん、というと不謹慎かもしれないけど、生きてはいない。いわゆる幽霊だね。その姿で、私に言ったんだ」

母『少しだけ、待ってもらえませんか？　手紙を、書き直したくて』

宮木「あっちのほうの話はよくわからないんだけど、なんか、後悔とかあると輪廻転生の輪に還れないんだって。だから、手紙を渡す前に、こっちの世界に降りてきて、って表現が合ってるのかな。ともかく、幽霊になって、書きなおしにきたんだ。君のお母さんはずっと、後悔していたんだね」

佐川「後悔……ですか」

宮木「まぁ、詳しいことはきっと、この手紙に書いてあるよ。今日はもう遅いから、家に帰ってゆっくり読みな」

佐川「そう、ですね。そうします」

　佐川、長めに息を吐く。

佐川「あなたは？」

宮木「ん？」

佐川「帰らないんですか？」

宮木「あぁ。もう少し、花見酒を楽しもうかなと思って」

佐川「花見……？　あぁ」

宮木「これ見ながら飲む酒が、一番美味いんだよな！　っかー！」

佐川「ほどほどにしてくださいね」

宮木「君もね」

佐川「はい。それでは、おやすみなさい」

宮木「うん、おやすみ」

　間

宮木「さてと、初仕事はどうだった？」

ナレーション「難しいです。あんなの、予測できません」

宮木「まぁそうだよね。でも人生なんて、あんなのがいっぱいだよ」

ナレーション「なんでもっと単純にならないんですか」

宮木「なんでと言われましても……予測できないから、人生は楽しいんじゃない？」

ナレーション「そんなもんですかね。自分は、わからないから怖いです」

宮木「そっか。ま、今回のは準備不足だったね。ちゃんと調べてたら、最後まで上手くつなげられたよ。どこかの誰かの人生を、ドラマとして伝える。それが私たちの仕事なんだから」

ナレーション「……すみません」

宮木「また次、がんばろ」

ナレーション「はい。あ、そういえば」

宮木「ん？」

ナレーション「なんであの人のお母さんは、手紙を書きなおしに来たんですか？」

宮木「あぁ。……旦那さんも、煙草を吸っていたんだって」

ナレーション「あぁ、なるほど」

宮木「思い出は、思い出すからちょうどいいんだよ」

ナレーション「そうですね」

宮木「うん。あ、次の依頼なんだけど、姉妹の日常を観たいらしくて……」

　声、フェードアウト

　音楽

母「最愛の息子へ。

こんな形でさよならを告げること、本当に申し訳なく思っています。

母としてあなたを育てなくてはいけないのに、私はずっと泣いてばかりでした。
寝ても覚めてもあの人はいなくて、ただ残り香と思い出だけがあって、幸せに終わりが来ることが、こんなに辛いとは思いませんでした。
でもそれが、あなたを置き去りにする言い訳にはなりません。
あの日、私はあの人の後を追ってしまおうと思っていました。
でも直前であなたの顔が浮かんで、今も一人で待っているのだろうか、もし私がいなくなったらどうなってしまうだろうか。母としての自覚が、あなたへの愛が、私の足を引き留めました。
家に帰ろう。帰って、あなたとご飯を食べよう。
そう思ったのです。

だから、あれは事故だったのです。
足元が崩れて、冷たい海に落ちたのは。

私のせいで、心ない言葉をたくさんかけられましたね。
過度な心配や好奇の目を向けられ、あなたは人を避けるようになりました。
あなたを守るはずが、あなたを追いつめることになってしまった。
本当に、本当にごめんなさい。

季節が幾度も巡り、あなたは大人になりました。
あの人と同じ、煙草を吸うようになりました。
咎めはしません。だって、あなたの人生だから。
あなたは、あなたらしく生きていいんです。
もう、私たちの影を追わなくていいんだよ。

あなたが私を支えようとしてくれたこと、帰り道でしっかり手を繋いでくれたこと、今でも鮮明に思い出せます。
その優しさは、強さは、これから先、あなたを幸せにするでしょう。
だから、自分を大切に、肩の力を抜いて、生きてね。
ごめんね。ありがとう。愛しています。

母より」

佐川「……おやすみなさい、母さん」

終幕 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2022-11-01T22:39:21+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://piyo80.novel.wox.cc/entry3.html">
		<link>https://piyo80.novel.wox.cc/entry3.html</link>
		
				
		<title>燻る煙草は口に苦し</title>

		<description>燻る煙草は口に苦し



登場人物
　…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 燻る煙草は口に苦し



登場人物
　佐川…ヤニカスの20歳　男
　宮木…酒カスの23歳　女
　母…佐川の母



　舞台は夜の公園。舞台中央にはベンチが一つ、隣(下手側)に細長い吸い殻入れ。
　照明は街灯のようにベンチを照らす。
　音響、夜の虫の声。

　開幕

　佐川、上手から登場。

佐川「はぁ、さむ……まだ三月だもんな……」

　佐川、ベンチに座り煙草に火をつける。
　間。

　宮木、上手から登場。

宮木「あの」

佐川「うわっ」

宮木「あ、すいません」

佐川「いえ……」

宮木「あの、お隣、いいですか？」

佐川「え、あぁ、はい……」

宮木「失礼します」

　間

宮木「あっ、煙草、大丈夫ですよ」

佐川「あ、そうですか？」

宮木「はい」

　間

佐川「あ、そっち風下になりますね。場所変わります？」

宮木「あ、はい」

　間

宮木「よく、ここに来るんですか？」

佐川「え？」

宮木「あ、よく、ここに来るんですか？」

佐川「あぁ。そうですね。あなたも？」

宮木「私は、機会があれば、ですね」

佐川「機会、ですか」

宮木「えぇ。あ、お酒飲んでもいいですか？」

佐川「えっ、はぁ」

宮木「ありがとうございます」

　間

宮木「……っかぁ！　沁みるぜ」

佐川「……お酒、お好きなんですか？」

宮木「まぁ、割と。あなたは？」

佐川「僕は、あまり飲まないですね。まだ学生ですし」

宮木「え、まさか未成年喫煙？」

佐川「成人してます」

宮木「あぁ。大学生？」

佐川「そうです」

宮木「そっかそっかー。いいなぁ、大学生」

佐川「大学、通われてたんですか？」

宮木「ううん、高校卒業して、そのまま就職した」

佐川「そうなんですね」

宮木「そうそう。私もキャンパスライフとやらを送ってみたかったなー。友達と夜遅くまで飲んだり、新歓で酔いつぶれたり、バイト先の先輩たちと飲み会したりしたかったな！」

佐川「お酒関連しかないですね」

宮木「まぁねー。学生は飲んでなんぼでしょ！」

佐川「すごい偏見ですね。……そんなものじゃ、ないですよ」

宮木「え、そうなの？」

佐川「えぇ。人によりますけど、俺は夜遅くまで誰かといるってことがないですね」

宮木「そうなんだ。夜は苦手？」

佐川「いえ、好きですよ。夜の、寝静まった感覚が好きです。町も人も太陽も、瞼を閉じて夢に浸る。子供のころに味わえなかった特別を楽しんでる気がして、とても好きです」

宮木「あぁ、わかるかも。夜は全てを許してくれそうだし」

佐川「そうですね」

宮木「あと、人ならざるものとも出会うかもしれないしね」

佐川「えっ」

宮木「冗談よ」

佐川「はぁ……」

宮木「でも、じゃあなんで夜に出掛けないの？　友達がいないとか？」

佐川「いや、友達はいるんですけど……俺、実家暮らしなんですよ。それで、親が厳しくて、親が寝た後にしか外出できないんですよね」

宮木「なるほどね。それは大変だね」

佐川「まぁ……でも、あの人は、俺がいないとダメなんですよ」

宮木「あの人、って、両親？」

佐川「……母親です。早くに父が他界して、俺と母さんの二人だけで暮らしてきたんです」

母、客席後ろに立つ。
　母にスポット。

母『……うっ、あなた……』

佐川「最初、母はかなり落胆していました。毎日泣いて、泣き止んだら寝て。起きたらまた泣いての繰り返しで……俺が見えていないかのように過ごしていました。というより、ずっと悲しみに沈んでいました。家事は全部俺がしました。最愛の人を亡くした母を、俺なりに支えようとしていたんです。でも、ある日」

母『……あなたは、お父さんによく似てるわね。さあ、こっちにいらっしゃい』

佐川「母は突然泣くのをやめて、俺に優しく接するようになりました。以前から優しい人でしたが、もう一段階優しくなったというか、人が変わったというか……言葉にできない感じがしました」

母『これ、似合うんじゃない？　着てみてよ。……ほら、良い感じ』

佐川「父の服を俺に着せたり、父が好きだった場所に行ったりと、母は俺と父を見重ねていました」

母『え、大学に行く……？　私から、離れていくの？』

佐川「もちろん、大反対されました。父は高卒で就職していたということもあるのでしょう。説得に説得を重ねて、実家を出ないという約束付きで大学に行かせてもらえることになりました。でも……あの人から、離れることはできない」

母『私から、離れていかないでね』

佐川「母の目を覚ますために、俺は今こうやって、煙草を吸っています。父とは違うことを示したかったんです。……全く、気づいてもらえませんが」

　母のスポット消える。

宮木「そう、だったんだね」

佐川「あ、すいません。なんか俺の話しちゃって」

宮木「いいのよ。誰かに話すって大切なことだから」

佐川「ありがとうございます」

宮木「うん。そっか、君が煙草を吸うのにはそんなわけがあったんだね」

佐川「わけってか、きっかけみたいな感じですけどね」

宮木「そっかそっかぁ」

　間

宮木「あのさ」

佐川「は、はい」

宮木「お母さんは、本当に気づいてないのかな」

佐川「……え？」

宮木「タバコ吸ってることとか、君がお父さんじゃないこととか」

佐川「それは、気づかないようにしているんじゃ」

宮木「だって、もしそうなら、何かしら行動してるはずじゃない？　君、まぁまぁタバコ吸ってそうだから、匂いとか沁みついてるんじゃないかな。それを君のお母さんが気づかないって、あるかな」

佐川「それは……」

宮木「私の想像だけどさ、お母さんは、少しずつ受け入れ始めてるんじゃないかな、お父さんがもういないことを。人って、いつまでも悲しみ続けることはないの。転んでしまっても、いつかは立ち上がって、また歩き始めるの。それにはとても時間がかかってしまう時もある。でも、乗り越えられる日はいつか来る。たばこのにおいに気づかないのも、深夜に君が出てることを知らないふりしてるのも、立ち上がる準備をしてるからなんじゃないかな」

佐川「そう、なんですかね」

宮木「あくまでも私の想像だけどね」

佐川「そっか……俺も、立ち上がらないとな」

宮木「うん、頑張れ」

　間

　佐川、立ち上がり煙草を消す。

宮木「帰るの？」

佐川「……そうですね。そうします」

宮木「そっか」

佐川「あ、最後に一ついいですか？」

宮木「うん？　どうした？」

佐川「あなたは、どうしてお酒を飲むんですか？」

宮木「んー？　美味しいからだよ！」

佐川「あ、そうですか」

宮木「うん！　君も、楽しく飲める日が来るといいね」

佐川「そうですね。それでは、おやすみなさい」

宮木「うん、おやすみ」

　佐川、上手にはける。

　間

宮木「どうでしたか？　息子さんは」

　母、下手から出てくる。

母「まさか、あんなことを考えていたとは……」

宮木「私もまさかでした。……旦那さんも、亡くされていたんですね」

母「えぇ。いつかは受け入れなきゃと思っていましたが、なかなかうまくいかず……」

宮木「そのまま、後追い、と……」

母「はい……」

宮木「後悔していますか？」

母「それは、とても。まさか息子が、私の幻を見ているなんて」

宮木「両親をほぼ同時期に亡くしてしまったこと、相当ショックだったと思います」

母「私は、とても馬鹿なことをしたのですね」

宮木「……後悔先に立たず、ですよ」

　間

宮木「でも、彼もいつか、立ち上がれますから」

母「え？」

宮木「彼自身も、変わろうとしているんだと思います。だから、煙草を吸っているんです。彼が気づかないところで彼は、立ち上がろうとしています」

母「……そう、ですかね」

宮木「えぇ。だから、安心して見守ってください」

母「……はい。ありがとうございます」

宮木「いえ」

母「最期に、息子に声をかけてきてもいいですか？」

宮木「いいですけど、聞こえないですよ？」

母「いいんです。聞こえなくても」

宮木「そうですか」

　母、上手へはける。

宮木「……お酒を飲む理由、ね」

　間

宮木「あー、やっぱ美味しい」

　暗転


閉幕 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2022-11-01T22:34:08+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://piyo80.novel.wox.cc/entry2.html">
		<link>https://piyo80.novel.wox.cc/entry2.html</link>
		
				
		<title>Colors.</title>

		<description>Colors.

登場人物(読み方)
　赤(あか)…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ Colors.

登場人物(読み方)
　赤(あか)……大学二年生　19歳　唯一の常人　理学部
　青(あお)……大学二年生　19歳　冷静な変人　経済学部　経営学科
　黄(きい)……大学一年生　18歳　失礼な変人　人文学部
　緑(みどり)……大学一年生　18歳　穏やかな変人　農学部　獣医学科
　白(しろ)……大学二年生　19歳　ナルシスト＝変人　経済学部　経済学科


舞台は赤の部屋(赤は実家暮らし)
赤の誕生日まであと30分弱
舞台上には、ぼーっとする赤、漫画を読む黄、飾りつけをする緑の三人



赤「なぁ黄、今何時何分？」

黄「えっ！？　……23時35分っす」

赤「うわー、あと25分じゃん」

黄「赤先輩、明日で何歳になるんですっけ？」

赤「二十歳だよ。は・た・ち」

黄「おー！　おめでとうございまーす！」

赤「そのセリフは日付が変わってから言えよ」

黄「それもそうっすねー」

　青、皿をもって上手から登場

赤「ずっと、子どもでいたかった」

青「……まだ、子どもだろ」

赤「そうだけどさ」

黄「つか、いつまでが子どもなんっすかね？」

赤「20歳未満？」

黄「へぇ～」

赤「だって、20歳になったら酒飲めるし。あと、成人式あるじゃん」

黄「あー、なるほどっす」

赤「黄は？」

黄「俺的には、18歳未満、っすかね」

赤「へぇ、なんで？　法律が変わるからか？」

黄「まぁ、それもありますけど。18歳になったら、なんか自由になった気がしません？家を出て一人暮らし始めたりとか」

赤「あー、わかる。いろんなことから解放された感じがするよな」

黄「そうっすそうっす！　それで俺、大人って自由だと思ってるんっすよ！どれだけゲームしても、家に帰るのが遅くなっても、部屋を散らかしても、怒られねーし！」

青「その代わり、果たさなきゃいけない義務がたーくさんあるけどな」

黄「うっ、そうっすよね……じゃあ青先輩は、どう思いますか？　逆に」

青「俺は、働き始めるまでだと思うな。それまでは、経済的にも親に面倒見てもらってるし」

赤「おー、なんか説得力あるな」

黄「さすが、定期考査は常に学年一位だった青先輩！　言うことが違う！」

青「ま、お前らとは格が違うからな」

赤「やっぱ前言撤回」

黄「さすが、人気者ランキング万年最下位の青先輩。言うことが違う」

青「いやそんなランキングねぇだろ」

赤「とりあえず今のところ、子どもの基準は、20歳未満、黄が18歳未満、青が働き始めるまで、だな」

黄「バラバラっすね」

赤「意外となー。ちなみに緑は？」

緑「ん？　呼びましたぁ」

赤「あぁ、呼んだけど」

緑「なんですかー？」

赤「緑はさぁ、いつまでが子供だと思う？」

緑「えぇ？　うーん……」

青「ほら、緑を困らせるな」

黄「そうっすよ！　そんな答えにくい質問、急にしないでください！　迷惑です！」

赤「うーん……そうなんだけど、黄に言われると腹立つなぁ」

黄「歯形と海苔？」

赤「腹立つなぁ！」

黄「まーまー、そんなに怒らないで」

緑「あ！」

赤「うわ！　びっくりした」

緑「なんとなく出ましたよー。さっきの、赤先輩の質問の答え」

黄「おー！　何なにー？」

緑「一生、です」

赤「……一生？」

黄「どういうこと？」

緑「んー、簡単に言うとぉ、僕たちは大人になれない、ってことです」

赤「まさか、不治の病に侵されているとか！？」

緑「あ、そういうことじゃないです」

青「怪しい宗教の考えで、とか？」

緑「そういうことでもないです」

黄「もしかして、黒ずくめの人たちに薬飲まされたとか！？」

赤「真実は！」

赤/黄「「いつも一つ！！」」

緑「それはもっと違います」

青「じゃあ、どういうことだ？」

緑「えっと、あくまで僕の考えですけどぉ、大人になるって『二本の足で立つ』みたいなことだと思うんですよ。自分の力で地を踏みしめるというか」

赤「黄、いまの理解できた？」

黄「ボク、イマ、ミドリガ、ナニヲイッタカ、ワカラナカッタ」

赤「だ、そうだ。緑、もっとわかりやすく言ってくれ」

緑「そうですねぇ……僕は、ただ年を重ねるってことが、大人になるってことじゃないと思うんですよぉ。20歳だから大人だーとか、16歳だからまだ子供だーとか、そんなのはないと思いまぁす」

赤「なるほど。それで？」

緑「それでぇ、つまり『大人』って『精神的に自立している人』のことだと思うんですよ。自分の足で、自分ひとりの力で立って歩くことができて初めて、『大人になる』んじゃないですかねぇ」

黄「あぁ！　なるほど！」

青「……あ、そういうことか」

赤「え、お前、今わかったのか？」

青「当たり前だ。俺の国語力の無さを知らないのか！？」

黄「えっ、国内旅行の楽しさ？」

赤「違う！　国語力のな・さ！」

黄「NASA……？　あぁ、ロケット！」

赤「それはアメリカ航空宇宙局！」

青「また話が脱線してしまったな」

黄「そうっすよー！　誰だよNASAなんて言ったやつは！」

赤「お前だろ」

青「お前だな」

緑「黄くんだよ」

黄「くっ、四面楚歌とはこういうことか……」

赤「あっ、でもさ緑、『精神的に自立すること』が『大人になる』っていうことだったら、大半の人はいつか大人になれるんじゃないのか？」

緑「んー、そうなんですけどぉ……」

青「けど？」

緑「誰かに、何かに頼らず生きている人って、そうそういないんじゃないですかねぇ」

赤「……言われてみれば、そーかも」

青「両親とか、友達とか、何かを心のよりどころにしている人が大半だよな」

黄「人は一人では生きていけない、ってことっすね。緑、いいこと言うじゃん！」

緑「ありがとー」

赤「自立する、ね……」

黄「赤先輩以外は、ある意味自立してますよね？」

青「まぁ、親元離れて、身の回りのこと、全部自分でやってるしな」

緑「お金も、仕送りはあるけどバイトやって稼いでますし～」

赤「俺は大学から家が近かったからなぁ……あ、バイトで思い出した。黄が前言ってたやつ、どうなったんだ？」

黄「え？　あぁ、バイトの店長っすか？　また大量に発注したんっすよー」

赤「またかー。今度は何だ？」

黄「お好み焼き味のきのこの山！」

青「は？」

黄「なんか、娘さんが買ってきたやつ食ってハマったらしくて『まじ美味ぴだったからちょっぱやでポチッたわ！　宣伝ヨロ~☆』って言われたんっすよね～」

赤「うわぁ……パリピだな……」

黄「ちなみに40代のおっさんっす」

赤「嘘だろ！？」

緑「心の若さは大切ですよねぇ」

赤「いや、若さとか、そういう問題じゃないよね！？」

青「それで、どうしたんだ？」

黄「それで、キャンペーンしたり、従業員が毎日一人ひと箱ずつ買ったりして、なんとか完売しました」

青「頑張ったな」

赤「黄は、それ食ったのか？」

黄「食いましたよー。流石に毎日はきついんで、三日に一度は緑にあげました」

緑「うんうん。あれおいしかったよねぇ」

黄「えっ」

緑「え？」

黄「まずかった、よね……？」

緑「おいしかった、よね……？」

　　　間

赤「……まぁ、味覚は人それぞれだから」

緑「そうですねぇ。辛いのが好きな人もいれば、甘いのが好きな人もいますし」

黄「きのこの山が好きって人もいれば、たけのこの里が好きって人もいるしね！」

青「そうだそうだ。ちなみに黄はどっち派だ？」

黄「きのこです！」

青「は？」

黄「え？」

青「お主……きのこの民だったのか……」

黄「いかにも……そなたはたけのこの民か？」

青「いかにも」

黄「よろしい。ならば戦争だ！」

赤「くだらないことで喧嘩はじめんなよ！」

緑「あ、ところでぇ、明日のパーティーに白先輩は来ないんですか？」

青「白か？　どーせあいつのことだから鏡に向かって『鏡よ、鏡。世界で一番美しいのは誰だ？　え、僕？　やだなぁ、そんな当たり前のことわかってるよ☆』って感じで、時間も忘れて話しかけてんだろ」

緑「それはさすがに……ありそうですね」

黄「俺、呼んできましょうか？」

赤「あぁ、うん、よろしく」

緑「いってらっしゃ～い」

　黄、上手にはける
　緑と青は準備
　赤は無言で机上を見つめる

赤「なぁ、緑」

緑「は～い、なんですかぁ？」

赤「なんで緑は『大人になること』が『自立すること』だと思うんだ？」

緑「え～、それさっき言いませんでしたっけぇ？」

赤「あぁ、そういう意味じゃなくて……大半の人はさ、年齢で『大人』と『子ども』の区別をつけるじゃん？　なのに緑は、なんて言うんだろう……人間の本質？みたいなので大人と子供の区別をつけるんだろうなぁ、って思って」

緑「あー、こう考えるようになった理由ですかぁ？」

赤「そうそう」

緑「そうですねぇ……ひとつだけありますよぉ」

赤「一つだけ？」

緑「はい。先輩、『子供大人』って言葉、聞いたことありますかぁ？」

赤「こどもおとな？」

青「あ、それ聞いたことある。たしかコナン君の逆バージョンみたいなやつじゃなかったっけ？」

緑「そうです。見た目は大人、頭脳は子ども、な人たちのことです」

赤「あー」

緑「僕、そういう人たちのことを『大人』って呼ぶことに違和感があるんですよぉ。わがままを突き通したりー、自分が有利でいられるようにズルしたりー」

青「『大人げない』って感じるよな」

緑「ですねぇ。でもどっちかって言うと、『年甲斐もない』の方がニュアンス的には近いですねぇ」

赤「大して変わらなくないか？」

緑「そうですけどー、『大人』って曖昧な境界より、『年』っていう明確な境界の方が、わかりやすくないですか？」

赤「あー、まあな」

緑「でしょー？」

青「お前、意外と細かいな？」

緑「えー、そーですかぁ？」

青「あぁ、なんかぼーっとしてて流されやすそうなのに、意外とこだわりとかあるんだな」

緑「あぁ、なんか前にも言われました。『吹けば飛びそうなのに、命綱はしっかりしている』って」

青「面白い例えだな、それ」

緑「でしょー？　黄くんが言ったんですよぉ」

赤「え、黄が！？」

青「何も考えてなさそうなのに？」

緑「青先輩、当たり強いですねぇ」

青「きのこの民は敵だからな」

緑「そうでしたねー」

赤「え、緑、それ本当なのか？」

緑「はい。黄くんあぁ見えて結構、本読むんですよ。だから、話してるといろんな表現が出てきて楽しいですよ～」

赤「へぇ、意外」

青「ま、人は見かけによらないって言うしな」

緑「そーですそーです。見た目だけで判断しちゃだめなんです。さっきの話も、見た目や年齢で大人かどうかっていうのは決まらないと思うんですよー。中身が成長しているかどうかが問題だと思います」

赤「なんか、すごい納得できた」

青「あぁ、わかりやすかったよな」

緑「え～、褒めても二酸化炭素ぐらいしか出ませんよぉ」

青「酸素も出るだろ」

赤「いや突っ込むところそこじゃないから！」

緑「確かに～」

赤「でも、本当にわかりやすかったな。緑、教師に向いてるんじゃないか？」

緑「……そうですね。検討します」

青「緑？」

緑「でも僕、教育学部じゃないですよぉ」

赤「えっ、あぁ、そうだったな」

緑「教育学部以外でも、教員免許って取れるんですかねー？」

赤「あー、どうだろ。よくわかんねえな」

　赤、緑、談笑
　青、準備に入る

　舞台、シーリングのみになる
　黄、客席後方から入場。スポットは黄を追う
　誰かと通話しながら前方へ

黄「……あー、もしもし、白先輩？　なーにやってんすか。もうすぐ、赤先輩の誕生日パーティー、始まりますよ。……あー、はいはい。俺、あと三分くらいしたらそっち着くんで、身支度済ませて、待っといてください。……え？　早い？　自業自得じゃないっすか」

黄、客席前方のドアからはける
スポット消える

　舞台、最初の照明に戻る

赤「青って、本当に学年一位だったのか？」

青「あぁ。それがどうかしたのか？」

赤「いや、さっき『俺の国語力の無さを知らないのか！？』とか言ってただろ？　それで、国語力ないのに、なんで問題解けたんだろうって思って……」

青「あー」

赤「もしかして、赤点回避したのが青だけだった……とか？」

青「いや、さすがにそれはない」

赤「だよね」

青「全教科40点越したのが、俺だけだったんだ」

赤「大して変わらなくないか！？」

青「だから、赤の予想はニアピンだ。おめでとう。ニアピン賞にこのゴミをやろう」

赤「いらないし嬉しくない！」

緑「青先輩、よく大学入れましたね」

青「あぁ。俺が一番驚いた」

赤「なーんだ。じゃあ納得できた」

青「そうか。なら、このゴミもやろう」

赤「だからいらないって！」

緑「でもー、国語できないって、ヤバイですよねぇ、将来的に」

赤「だなー。黄見習って、本読めば？」

青「んー……オススメとかあるか？」

赤「オススメ？　そうだな……」

　赤と青が話しているときに、緑、携帯を取り出しメールを確認する

緑「先輩、黄達もうすぐ着くそうです」

赤「おー、早かったな。ちなみに今、何時何分？」

緑「えっと……23時50分です」

赤「うわ、あと10分じゃねーか。早く帰って来いよー！　赤様の生誕祭が開かれるぞー」

青「お前はカミなのか？」

赤「我は神である！」

青「ちなみに、ペーパーの方な」

赤「なんで！？　そこ普通ゴッドの神じゃないの！？」

青「は！？　お前が神とか神様に失礼だ謝れ！」

赤「なんで俺怒られてんの！？」

　黄、白、上手から登場

黄「たっだいまー！」

緑「あ、おかえりー」

白「遅れて悪かったね！　本日の主役、白様の登場だよ☆」

赤「いや、今日の主役お前じゃねぇから」

白「え？　じゃあ明日？」

赤「明日はもっとないから！」

黄「あっ、白先輩にも聞いてみませんか？」

赤「え？　あぁ、あれね」

白「ん？　何だい？」

赤「白はさ、いつからが大人だと思う？」

白「おとな？」

赤「そう、大人」

白「んー」

赤「んー」

白「ん～？」

赤「ん～？」

白「わからない☆」

赤「わからんのかい！」

白「そんなの考えたこともなかったよ。僕は、毎日を生きるのに、忙しいからサッ☆」

黄「あー、俺も同じっす！　今日を生きるのに精いっぱいで、明日のことなんて考えられないっす！」

青「お前はただの馬鹿じゃないのか？」

黄「俺は馬鹿じゃないっすよ。赤先輩より」

赤「君は、先輩に対する敬意ってもんがないよね」

黄「そんな堅苦しいもの、どぶに捨ててきました！」

赤「今すぐ、拾ってきて方が良いと思うよ」

白「同感☆」

黄「うっ……俺への当たりが強い……」

青「ほらそこ、お喋りしてないで準備するぞー」

黄/白「「はーい」」

　赤、上手にはける
青、黙々と机上の準備をする
緑、黙々と飾りつけをする
黄、黙々と漫画を読む
白、黙々と鏡を見る
赤、ケーキをもって上手から登場

白「鏡よ、鏡。世界で一番美しいのは誰だ？　え、僕？　やだなぁ、そんな当たり前のこと、わかってるよ☆」

赤「うわ、青の予想当たってんじゃん」

白「ん？　何か言ったかい？」

赤「何もー。ていうかお前ら、準備しろよ」

白「してるよ？　身なりの準備を☆」

黄「俺は、心の準備っす！」

赤「白は家でやって来いよ！　つか黄の心の準備ってなんだ！？」

黄「え、マンガ読んで、テンション上げとこうかなーって」

赤「お前は常にテンション高いだろ！？　じゃなくて、俺が言ってんのは、この部屋の準備！」

白「ここにいる僕等だって、この部屋という空間を構成する一部だろう？　部屋を飾り付けるなら、まずここに存在する僕等を飾り付けなくちゃね☆」

青「白、屁理屈言うな。黄みたいになるぞ」

黄「白先輩、たけのこ派の言うことを聞いちゃダメっすよ」

緑「まだそれ続いてたんだねぇ」

白「んー、よくわからないけど、僕は、僕を貫くよ☆」

赤「変わらないなぁ、白は」

白「ありがとう☆」

　間

緑「そう、みんな、結局は変わってないですよね」

赤「緑？」

緑「……ねぇ、先輩。いつまで続けるんですか？」

赤「え、何を？」

緑「この『カラーサークル』を、ですよ」

青「緑、その話は」

緑「わかってますよ。今こんな話をする時じゃないってことくらい。でもですね、僕は、今だからこそすべき話だと思うんですよ」

白「どうして？」

緑「リーダーで、このカラーサークルをつくった赤先輩が、二十歳になってしまうから。……大人に、なってしまうから。人生の大きな区切りを迎える今だからこそ、この話をするべきじゃないんですか？」

赤「緑……」

緑「思えば、このサークル不思議ですよね。お互いに本当の名前で呼び合わないし、それどころか本当の名前すら知らない。大学構内で見かけた時は目も合わせないのに、それぞれの誕生日を祝うくらい仲がいい。本当に、歪な関係ですよね」

赤「……あぁ、歪だ」

黄「でも、だから、居心地が良かった」

赤「黄？」

黄「このサークルはいわば、リハビリテーションみたいな所っす。周りに上手く馴染めなかった人達が集まって、変わろうってしてますから」

白「でも、そんな簡単に自分を変えることはできない。変わらない自分をメンバーに見せたくなかったから、他の所で会っても、知らないフリをした」

青「変わりたいのに変われない。過去を乗り越えられないから、俺達はずっと、子供のままだ」

緑「ねぇ、先輩。もう時間はないですよ」

赤「……今、なのか」

緑「えぇ。逃げてばかりじゃ、前に進めませんから」

黄「話しましょう。みんなで」

白「過去のことも」

青「このサークルのことも」

赤「……あぁ。わかった」

　暗転
　黄、赤は上手にはける
　緑は下手にはける
　白は上手側の立ち位置にスタンバイ
　青は下手側の立ち位置にスタンバイ



上手のスポットがつく

白「僕は、自分が嫌いだった。どうして皆みたいに上手くできないんだろうって、自分と他人を勝手に比べて、自分は、出来損ないだと決めつけて、自分を嫌っていた。自分を愛さない人は誰からも愛されないから、自然と人は離れていった。このままではダメだと思って、このサークルに入って、自分を愛する『白』を演じた」

　上手のスポット消える
　下手のスポットつく
　白と黄が交代

青「俺は、不良だった。酒飲んだり喧嘩したり、自分のことばかり優先してやった。だから、親のことなんて考えてなかった。久々に家に帰ると、母が泣いていた。それを見て俺は、変わることを決めて、大学に入った。そして、このサークルで、真面目で冷静な『青』を演じた」

　下手のスポット消える
　上手のスポットつく
　青と緑が交代

黄「俺は……僕は、生真面目でした。ルールを破る人が嫌いで、口うるさく注意をしていました。お陰で、友達は誰一人としていませんでした。自分は間違ったことをしていないと思う反面、規則を守ることが全てではないのかもしれない、とも思っていました。だから、このサークルに入って、お調子者の『黄』を演じました」

　上手のスポット消える
　下手のスポットつく
　黄と赤が交代

緑「僕は、心配性でした。先の見えない未来に怯えて生きていました。『教師になる』という夢を持っていましたが、周囲から『未来に怯えるお前に、未来を支える仕事は向いていない』と言われ、諦めました。けど、せめてこの性格だけは変えたいと思っていたので、サークルに入って、落ち着いている『緑』を演じました」

　下手のスポット消える
　上手のスポットつく
　緑、下手にはける

赤「俺は、普通がわからなかった。周りに合わせることが苦手で、クラスでいつも浮いていた。だから、大学に入ったら『普通』になろうって決めた。一人じゃ頑張れる気がしなかったから、このカラーサークルを作った。名前で呼び合わないのは、なりたい自分を演じるため。俺は、俺の中でスタンダードなイメージがある『赤』を演じた。だけど、俺は今でも変われていない……」

　上手スポット、フェードアウト



　五人、元の位置について明転

赤「みんな、色んな過去を抱えてたんだな」

緑「だから、カラーサークルに入ったんですよ」

青「変われてないけどな。俺は夜中にバイクで走り回ってるし」

白「僕は自分が嫌いだし」

黄「僕はルールに縛られてるし」

緑「僕は明日が怖いし」

赤「俺は『普通』がわからない……」

黄「変わるって、難しいですね」

青「それに、知らない色に染まるみたいで、怖ぇよな」

緑「でも、僕達は染まらなくちゃいけないんですよ、理想の色に」

赤「大人になる前に、な……」

　間

白「でもさ、何かを染めるって、時間がかかるよね」

緑「え？」

白「布にしても、絵にしても、急いで染めても良い物は出来ない。丹精込めて、丁寧に染めるから、綺麗に仕上がるんじゃないのかな」

赤「白……」

アラーム音

黄「うわっ！？」

青「なんだ！？」

赤「あ、アラームかけてたんだった」

黄「何のですか！？」

赤「えっと、誕生日まであと二分っていう……」

青「嘘だろやべぇじゃん！」

白「手伝うよ」

緑「飾りつけぇ……」

青「あっ、ライター！」

黄「俺取ってきます！」

　黄、上手にはける

緑「……だいたいでいいかもなぁ」

　黄、上手から登場

黄「どうぞ！」

青「ありがとう！」

　青がケーキのロウソクに着火する動きをしたら、前からケーキにスポットをあてる

黄「あと一分！」

白「電気、消していいかい？」

青「あぁ！」

照明、落とす
前からのスポットはついたまま

青「はぁ、なんとか間に合った……」

緑「グダグダですけどねぇ」

黄「つーか、結局、どこからが大人なんすかね」

青「そもそも、大人になるってどういうことだろうな」

白「さぁね。その答えは、自分で見つけていかないと」

緑「この先、まだ長いですからねぇ」

青「そうだな」

黄「あと三十秒！」　(黄はここからカウントをする)

赤「なぁ。みんなはさ、ずっと子供のままでいたい？」

緑「……そうですね」

白「叶うなら、って感じかな」

青「赤は？」

赤「俺も、できることなら、ずっと子供のままでいたいよ」

青「……そうか」

黄「あと５秒！」

赤「でも」

黄「４！」

赤「今は」

黄「３！」

赤「前より」

黄「２！」

赤「少しだけ」

黄「１！」

赤「大人になるのが、楽しみだ」

黄「せーのっ！」

青/黄/緑/白「「「「赤、誕生日おめでとう！！！！」」」」

赤「……ありがとう！」

　赤、火を吹き消す
　同時にスポット消す

閉幕
 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2020-05-24T23:46:46+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://piyo80.novel.wox.cc/entry1.html">
		<link>https://piyo80.novel.wox.cc/entry1.html</link>
		
				
		<title>最愛の、</title>

		<description>最愛の、



登場人物
　父親
　息…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 最愛の、



登場人物
　父親
　息子
　ニュースキャスターの男（声のみのため女でも可）





開幕

舞台上には机が一つ。息子は勉強をしている。
父親、舞台上手から登場。

父親「ただいまー」

息子「おぉ、お帰り、お父さん」

父親「あぁ、ただいま」

息子「いつもより早かったね」

父親「あぁ。課長が『今日は早く帰れ』って言ったんだ」

息子「へぇ、良かったね。ねぇ、それさ、あれじゃない？　働き方改革、みたいな」

父親「あー、そうかもな」

息子「あれでしょ。残業させないようにする、みたいな。だから今日も、先生達が定時で帰れるように、部活無しで早く帰ってきたんだ」

父親「そうだったんだな」

息子「うん」

間

息子「あ、そうだ父さん。ちょっと聞いて」

父親「ん？　なんだ？」

息子「今日、学校凄い大変だったんだよ」

父親「へぇ、何かあったのか？」

息子「うん。まずね、朝は普通だったんだ。いつも通り朝補習があって、いつも通り森田と松崎が遅刻したんだ」

父親「そういえば、森田君と松崎君は、自転車通学だったよな？」

息子「そうそう。それがさ、森田が遅刻するのはまだ少し頷けるよ。あいつ、山の上から来てるし。でもさ、松崎はすっごい近くに住んでるんだよ？　半径一キロもないくらい。それなのに遅れるとか、寝坊でもしてんのかな」

父親「それは、近いから、逆に心に余裕ができて遅刻するんじゃないのか？」

息子「あー、なるほどね」

父親「それで、そのあとは？」

息子「そのあと、二時間目くらいだったかな。突然グラウンドから金切り声が聞こえたんだ。それも複数の。何事かって思って窓の外を見たら、体育だったみたいなんだけど、一人、動きがおかしい生徒がいたんだよね」

父親「動きがおかしい？」

息子「うん。なんか、こんな感じで、他の生徒に近づいてたんだ」

父親「それは……ゾンビ、みたいだな」

息子「そう。その人、ゾンビになってたんだ。信じられないかもしれないけどね」

父親「あぁ。全くもって信じられないな」

息子「うん。僕も最初は信じられなかった。でも、本当にいたんだ。この目で見たんだ」

父親「そうか。寝不足かもしれないな」

息子「そういうと思って、写真と動画を撮ったんだ」

父親「へぇ、見せてみなさい」

間

父親「うん、信じよう」

息子「それで、流石にやばいってなって、みんな取り乱して、気づいたら教室に残ってるのが、僕とマサだけになってたんだ」

父親「あぁ、あの、サッカーが上手い子か」

息子「そうそう。それで、もう一回窓の外を見たら、さっきよりもゾンビの数が増えてたんだ。噛まれたらそうなるのかな。よくわかんないけど、とりあえず人とゾンビが５対５くらいになってたんだよね」

父親「ほうほう」

息子「それで、このままじゃ校庭にいる奴らが全部ゾンビになっちまうから、急いで出ようってマサが言って、僕もその後をついていったんだ。チャリ置き場まで行くのも大変だったんだよ。途中でゾンビが襲ってきたり、目の前で友人が噛まれたりね」

父親「それは、災難だったな」

息子「うん。で、命からがらチャリ置き場について、マサの自転車に乗って学校を出たんだ。校庭を見ると、もう人の姿はなかった。そして、なんとか家に帰ってきたんだ」

父親「マサヤ君が送ってくれたんだんな」

息子「違うよ。さっき言わなかったっけ？『目の前で友人が噛まれた』って」

父親「え？　……あぁ、そうだったのか」

息子「うん」

間

息子「実はね、僕も、噛まれちゃったんだ」

父親「えっ」

息子「ただ、まだああなってないだけ。抗体でもあるのかもしれない。だけど、いつああなるかわからない」

父親「それは……本当、なのか？」

息子「うん。傷はさすがに見せれるものじゃないから見せないけど、一人になった後、噛まれたんだ」

父親「そう、だったのか」

間

息子「ねぇ、父さん」

父親「……なんだ」

息子「僕を、どうする？」

父親「え？」

息子「いつゾンビになるかわからない息子を、このまま家に居させていいの？　夜中に突然ああなって、父さんに襲い掛かるかもしれないよ」

父親「……」

息子「僕は、もういいよ。父さんに迷惑かけたくないし。だから、捨てるなら今のうちだよ。……大丈夫。お父さんと離れるまでは、耐えれると思うから」

父親「……いや、そんなことはしない」

息子「えっ」

父親「だってお前は、俺の最愛の息子だ。お前を捨てることなんでできない。例え、お前がゾンビになる運命だとしても」

息子「父さん……」

間

息子「……まぁ、夢なんだけどね！」

父親「夢かよ！！」

息子「今日ずっと眠くてねー、一日中寝てたんだ。帰りのショートが終わってからマサに起こされた時、マサが生きてる！って思って、思わずマサに抱きついちゃったんだ。そしたらマサ『気持ち悪っ！！』って言って帰ったんだよ。ひどくない！？」

父親「いや、ここまで夢だということ明かさなかったお前の方がひでぇよ！！」

息子「ほら、話にはオチが必要じゃん？」

父親「悪趣味だ！」

息子「まぁ、お父さんの息子だし？」

父親「その言い方は語弊がある！」

息子「ま、話に付き合ってくれてありがとー。俺は勉強してきまーす。あ、母さん、もうすぐで帰ってくるってー」

父親「あぁ、わかったよ……」

息子、上手へはける

間

父親「……最期の最期まで、嘘が下手だったな」

父、テレビをつける

男「先ほど入って来たニュースです。現在、市内でゾンビが大量発生しています。原因は不明。第一高校を中心に広がっていますので、近隣住民の方は玄関と窓に鍵をかけ、バットなど、身を守るものを常に持っていて下さい。繰り返します。現在、市内で……」

息子「うああああああああああああああああああああああああああああ！！！！」
（上手から声のみ）

閉幕
 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2020-05-20T12:16:27+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>

</rdf:RDF>